ちょうちょは風で運ばれる

アマゾン川の熱帯雨林が干ばつで枯れ、二酸化炭素を吸収しないどころかさらに二酸化炭素を出してしまうそうだ。
干ばつのニュースはここ数年あちこちであるが、南アメリカのアマゾン川流域も近年深刻な干ばつが起こっている。
その干ばつでアマゾン川流域の熱帯雨林の森林が多く枯れた為に、アマゾン川流域の熱帯雨林の二酸化炭素吸収量が今後減少するらしい。

このアマゾンの熱帯雨林は昔から言われている地球の重要な二酸化炭素吸収と酸素の供給地域だ。
開発などで森林が少なくなるだけじゃなく、干ばつでも少なくなっており、相当な二酸化炭素吸収量の減少になる。
ただ問題はアマゾン川流域で二酸化炭素が吸収されなくなる事だけではないようだ。

干ばつ深刻なアマゾン、CO2排出源になる危険性も 研究

干ばつで森林の多くが枯れたため、今後数年にわたりアマゾン熱帯雨林の二酸化炭素（CO2）吸収量が減少すると科学者らは予測している。

さらに、干ばつで枯れた木が腐敗して、1年間に最高で50億トンのCO2が大気中に排出される可能性があるという。米国が2009年に化石燃料の使用で排出したCO2が54億トンだったので、それと匹敵する規模の排出量だ。

論文の主執筆者、英リーズ大学（University of Leeds）のサイモン・ルイス（Simon Lewis）氏は「残念ながら、アマゾン熱帯森林の未来は、悲観的な気候変動モデルと一致する」と述べ、干ばつで温暖化が一層進み、さらに干ばつを呼ぶ悪循環が生み出されているのではないかと懸念する。

「（世界の）温室効果ガス排出のせいでアマゾンの干ばつが発生し、干ばつの結果、アマゾンがCO2排出地帯に変わるのだとすれば、この悪循環は非常に懸念されるものだ」

ルイス氏は「もっと頻繁に干ばつが起きるようになれば、アマゾンの熱帯雨林は、ある時点から、気候変動を遅れさせる貴重な場所から、温室効果ガスを排出して気候変動を加速させる主要な場所になるだろう」と警告した。

温暖化→アマゾンの干ばつ→二酸化炭素の吸収減少さらに二酸化炭素排出→温暖化のループになりそうだ。
温暖化がある程度すすめばさらに加速度的に二酸化炭素の排出が増加することになる。

これがアマゾン川だけではなく、地球規模であちこちで気候が変わり、干ばつと大雨の地域が交互に繰り返されて二酸化炭素吸収量が減って、逆に有機物の腐敗などでメタンや二酸化炭素の排出が増えていくという悪循環だ。