ちょうちょは風で運ばれる

世界にはいくつかの種類のトラがいる。
ロシア名のシベリアトラ。アムールトラとも呼ばれる。
トラの中では世界最大のもの。

中国のアモイトラ

インドネシアのスマトラトラ

そしてインドのベンガルトラ

絶滅した　
バリのバリトラ、
インドネシアのジャワトラ、
アフガニスタン・イラン・トルキスタン
など



そのベンガルトラのサイズが小さくなっているらしい。
インド野生動物保護当局が発表した。

ベンガルトラの体重減少の原因は環境変化に関連したストレスではないかと専門家は見ている。
環境変化がインド国境のマングローブの密林にも押し寄せ、トラの生息環境が変化してきている。

ベンガルトラは体重だけでなく各部のサイズも小さくなってきているらしく、
普通成長したベンガルトラは
全長オス270-310センチメートル、メス240-265センチメートル[4]。体重オス180-258キログラム、メス110-160キログラム
くらいなのだが、成長し健康そうに見えるトラでも100kgを下回るものもいる。

サイズだけの話ではなく、トラの頭数も2001～02年に実施された前回調査ではインド国内のサンダーバンズに生息するトラの頭数は274頭にまで減少していたそうだ。










トラは肉食獣である限りは草食動物を捕食して生きている。
一日に食べるその量は体重の20%になる場合もあると言う。150kgなら20～30kgと言う所か。
ただ毎日狩りをするわけではなく、一度獲物にありつけば数日をそれを食べ、その後は絶食が続き、1週間に1頭程度の狩りらしい。
と言う事は1頭のトラが生きていく為には年間50頭のシカなどの草食動物が必要になる。

シカも絶えてしまっては困るから、年間50頭が捕食されてもなおかつ生き残り群れが世代交代を繰り返していくには、ちゃんと計算したわけではないが全ての個体が出産するわけではないだろうから3～400頭の頭数がいるだろう。
となれば100頭のトラが生きる為には3～4万頭が必要になる。もちろんいい加減な計算なのでもっと多いかもしれない。
その数万頭の草食動物が生きる為には膨大な広さの森や草原が必要になる。


もともと大型肉食獣は頭数密度は非常に低い動物と言うのが分かる。
トラなどはその環境にもよるだろうがおそらく1頭に付き50km2～100km2は必要なんではないだろうか。広いようだが、50km2と言っても7km四方だ。
つまり広大な範囲に対して生息頭数は少ない大型肉食獣は、環境の影響を非常に受けやすい動物だ。
草食動物1頭につきトラ1頭というわけにはいかない。
一見広大な草原が広がっているアフリカでさえライオンの生息数が減り、保護がされているくらいだ。


環境の変化によりベンガルトラが小型化しているという現象は、ベンガルトラが環境の変化に対して何とか頭数を維持しようとする防御反応なのかもしれない。
生息できる限られた範囲の環境でもそれなりに子孫を残していかなければならないのだから。

とはいえ100kgを切ってくるとなると大型犬の中で大きいものくらいになってしまう。
グレート・デーンやセント・バーナードの大きなもので80から90kgくらいだ。
小型のトラのメスならそれくらいの種類もいるだろうが、
さすがにオスのトラで犬くらいになってしまったら悲しいものがある。

トラは美しい動物だ。
何とか環境を守ってトラの生息できる場所を残していってもらいたいと思う。