ちょうちょは風で運ばれる

70年ぶりに西湖で再発見されたクニマスについて地元の山梨県河口湖町も国も対応に困惑しているそうだ。

まずはクニマスの生態調査や生息数の調査をしなければならないのだが、生息数が分からない状態でむやみに網などで捕獲してしまうわけにはいかない。

またニュースを聞いた釣り人などがクニマスをつりに大勢押しかけてくるかもしれない。
一気に大勢に釣られてしまっては、ヘタをすると一気に生息数を減らしてまた絶滅宣言になってしまうかも。
ではクニマスの生息している区域を特定して、そこを禁漁区にすればいいかというと、今度はその禁漁区がクニマスのいる場所だと教えてしまう事になる。

地元では今までクニマスだとはまったく思わず、ヒメマスと一緒に取れてもクロマスと呼んでいたらしいし、さかなクンのところにヒメマスとして送ってきたくらいだから漁獲量の記録もないだろうし、どれくらい取れていたかの聞き取りからしないといけない。
京都大学の中坊教授も「捕獲でクニマスの生息状況を悪化させる恐れがある。まずは漁業関係者から詳しい聞き取り調査をするべきだ」と指摘している。

国のレッドリストでも問題が持ち上がっているそうだ。

レッドリストには他の地域から移入された魚類は評価の対象から外すルールがあるらしい。
つまり元々生息していた所で絶滅してしまえば、それは絶滅種であって、他の地域で人の手によって生き延びてもそれは除外されるということ。
となると、クニマスは田沢湖で絶滅したままの状態ということになる。

どうやらクニマスの為に新たに規定を作る必要が出てくる。
たしかに野生状態でのクニマスは絶滅しているが、実際には西湖に移入されてから、すでに70年も自然に生息してきたと言う実績もある。
環境省ではクニマスの位置づけが最終的に決まるのは2012年末といっているらしい。
さすがにお役所仕事、なぜにそんなにかかるのか分からない。
確かに慎重に議論すべきだろうが、丸2年もかかるというのはちょっとかかりすぎだ。